こんにちは医療法人 熊本けやき通り歯科医院 院長の西村です。
昨日、以下の様なメール相談がありました。
やりとりの中で、もっとけやき通り歯科医院のむし歯予防の考えをブログ等で発信していく必要性を感じました。
相談された方にも了承をいただけましたので、ここにご紹介します。
メール相談・・1歳9ヶ月の子どもが4本むし歯になってしまいました。
1歳9ヶ月の子なのですが、検診で前歯が4本奥歯が1本の虫歯が見つかりました。
毎日、泣き叫ぶ子を押さえ込みながら、ハミガキをしていたのですが、虫歯になるなんて、大変落ち込みました。
進行止めとして、近所の歯科で、お薬を塗ってもらっています。
予防歯科の病院が少なくて、相談するところがありません。
今後、虫歯を作らず、進行をさせない方法を教えてください。
キシリトールが良いそうなのですが、粉末がこの辺りには売ってなくて、ハキラのタブレットを砕いて水に溶いてハブラシにつけて磨いています。
できれば、キシリトール粉末を販売しているところも教えていただきたいです。
どうぞ、宜しくお願い致します。 T田M子
お答え
こんにちは。けやき通り歯科医院 院長の西村です。
1歳9ヶ月のお子様で、むし歯が4本見つかったのですね。
ご心配だとは思いますが、お母様がこれから先、きちんとした対応をされれば大丈夫だと思います。
キシリトールはある程度の量を一定期間摂取すればミュータンス菌を悪玉菌から善玉菌化できることが分かっています。
ただ、お子様の年齢でするのはまだ無理です。歯ブラシにハキラ等のキシリトールタブレットをまぶすのは多少の効果は有るかもしれません。
ただ、もっと効果を上げるためにはフッ素が必要です、といいますか、まずはフッ素なのです。
歯科医院専用のフッ素ジェル(ホームジェル、チェックアップジェルなど)はフッ素の濃度もある程度あり、お勧めです。
それと食生活の問題が隠れていそうです。
また、ミュータンス菌のお母様やお父様からの感染の問題もあるので、このへんは実際いろいろお話しをしないと伝わらないと思います。
遠方にお住まいかもしれませんが、できれば一度おみせいただければ、と思います。
ただ、いえることは物事を受け止めるときに、プラスの意味をもたせることが重要だと私たちはいつも考えています。
乳歯がむし歯になっても、永久歯をむし歯にさせなければオッケーなのです。うちの医院には乳歯が重度のむし歯になってお見えになった子どもさんが、永久歯は全くむし歯がない子どもさんも多く定期的に予防に通っています。ぜひ、いっしょに予防をしていきましょう。
答えに対するT田M子様からのご返事
ご丁寧なメールをありがとうございます。
子供の虫歯を発見して以来、私が、かなり焦って、自己嫌悪になっていましたので、西村先生のメールに、気持ちが救われました。
本当に、ありがとうございました。
永久歯は頑張ってきれいな歯にしたいと思います。
本当に出来れば一度伺いたいのですが、すぐには、なかなか難しそうです。
機会を作って、是非、伺いたいと思っています。
ホームページはこれからも、拝見させて頂きますので、予防や虫歯に関する内容を載せていただければ嬉しく思います。
また、ご相談させていただくかもしれませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。T田M子
さらに私からの返事
こんにちは、西村です。
そのように言っていただき、よかったです。いつか実際にお逢いしてたくさんの大切なことをお伝えしたいと思います。
ただ、T田さんの様にお子様が泣かせながら歯みがきをしていてもむし歯になってしまい、自分を責めながら悩まれている方もいらっしゃると思います。
その方達のためにも、T田さんのメールをもちろん匿名で、相談内容をブログにのせていいでしょうか?
いっぺんには書ききれませんが、私がむし歯予防先進国フィンランドで学び、日本で実践して結果を出してきたことをお伝えしていきたいと思います。いかがでしょうか?
西村幸郎
さらにT田様よりのご返事
ありがとうございます。
私の友達も同じくらいの子供がいて、虫歯になってから、痛い思いや、怖い思いをさせて泣かせるよりも、
毎日、泣かせながら押えてでもハミガキをしたほうがいいと、同じことをやっています。
未だしゃべれない子が虫歯になると、『痛いの?』と聞いても『痛くないの?』と聞いても『うん!』と頷いてしまい、親としては、どうしていいのかわからなくて、時間があれば、口の中を覗いて、他に見落としの虫歯は無いか、進行していないかと、ヒヤヒヤしています。
うちは、 5ヶ月から歯がはえてきてしまい、今は上下ともに8本ずつはえています。
検診で会った人の中には、未だ、数本しかはえていない子もいました。
もう少し、ゆっくりはえてくれたらよかったのに…とも思います。
何件か近所の歯科に相談していますが、虫歯を治す方法は教えてくれますが、幼児の虫歯予防となると、虫歯になる原因を知りたいのですが、先生にも分かってもらえず、なかなか、納得できないのが現状です。
歯科に新生児からの体や特徴をよく知った人がおられると、とても助かるのですが。
(おっぱいの飲み方で、口の構造がわかり、歯のはえ方もわかるらしいので)
私のような悩みを持った人の為になるのなら、是非、載せていただきたいと思います。
楽しみにしています。 T田M子
さらにさらに私からのご返事
ありがとうございます。
> 歯科に新生児からの体や特徴をよく知った人がおられると、とても助かるのですが。
> (おっぱいの飲み方で、口の構造がわかり、歯のはえ方もわかるらしいので)
このあたりは私も勉強が足りません。妻が矯正医で、ほ乳・吸啜の勉強をしているので一緒に学んで行きたいと思います。
それと、ご心配の痛みについてですが、もし痛みが出るようなむし歯に進行した場合、痛い間は食が進まないものです。
たべものが詰まって痛いからです。
そのあと、だんだん、なにもしないときの痛みに変化していきます。
今の状態を聴くと、その前の段階ですので、進行止めを数ヶ月おきに塗りながら、お母様が一日一回フッ素を塗り(歯科医院で買えないなら、効果は落ちますが薬局等でフッ素ジェルが売っています)、食生活をよりよい方向に向かわせてあげると、治療がスムーズに受けられる4歳くらいまで痛みが出ない状況に持って行ける可能性が高くなります。
食生活については、早速ブログで紹介しますので、よければ参考にされてください。
今回は私どもに示唆を与えていただき有り難うございました。もっと、情報を発信していくべきのようです。では!!
西村幸郎